【特定飛行の各論④】高すぎるとダメ?~150m以上の飛行について~

今回のテーマは、飛行させてはならない空域の最後の一つである「150m以上の飛行」についてです。無人航空機は原則150メートル以上の高さを飛行してはいけません。これは空港周辺の飛行に関しても言えることですが、航空機が主に飛行する空域との分離を図ることにより、安全を確保するためです。(無人航空機の飛行の安全に関する教則)

■どこから150mを測るのか

そもそも150mとはどこから測ればいいのでしょうか。それは地表・水面からの高さ150mであり、わかりやすく言えば、その機体の真下の地面からの高さ150mということになります。同じく、高さを測る基準として海抜高度というものも国土交通省は使用していますが、無人航空機を飛ばす際の高度は地表・水面から測った150mが適用され、海抜高度ではありません。ですから、「標高300mの山の上空を飛ぶから150mを超えている」とはなりません。飛ばした無人航空機が、その山の地面から150m以内であれば問題ありません。

問題となるのは機体が横に移動するときです。たとえば、高さ120mの崖の上から離陸したとします。そこから100mまで上昇し、高さを変えずに谷側へ水平に飛ばす。機体は一度も上昇していません。しかし谷の地面は離陸地点より120m下ですから、真下の地面からの高さは220mになっています。

山間部の測量、渓谷にかかる橋の点検、造成地や斜面の多い現場などでは、こうした飛行経路上の地面の高さを事前に確認しておく必要があります。

■高度150m以上の空域の例外

150m以上であっても、飛行が禁止されない場所があります。

それは煙突や鉄塔のような高い構造物の周辺です。こうした場所には、そもそも航空機が飛ぶことが想定されていません。航空機と分離するという規制の目的が働かないため、構造物から30m以内の空域は、150mを超えていても飛行禁止空域から外されています。                                                         煙突の点検、鉄塔や送電線の巡視、高層ビルの外壁調査。こうした業務は、この例外があるおかげで成り立っています。

ただし、空域の規制が外れただけで、飛行方法の規制は残ります。

構造物から30m以内を飛ぶということは、以前の10類型であげた特定飛行の飛行方法「人または物件から30m未満の飛行」に該当します。この場合、空域の許可は不要でも、飛行方法の承認が必要になります。

承認が必要ないこともあります。それはその構造物の関係者が飛ばす場合です。自社の鉄塔を自社で点検するようなケースでは、その構造物は自社の所有する物件にあたり第三者の物件とはならないため、30m未満の承認は不要になります。このあたりの詳細はまた別のコラムで説明します。逆に、依頼を受けて他社の構造物を点検する場合は、承認が必要になります。

■終わりに

これで、飛行させてはならない空域の4つがすべて出そろいました。

空港等の周辺、緊急用務空域、人口集中地区、そして150m以上。                                4つに共通しているのは、いずれも「その場所が該当するかどうか」を飛ばす前に調べなければ分からないという点です。

そして、こうして飛ばせる場所を確認できたとしても、それだけで飛ばせるわけではありません。どう飛ばすかによって、また別の手続きが必要になります。                                             次回からは、特定飛行のもう一方、「飛行の方法」について一つひとつ見ていきます。

われわれ行政書士法人Royal Sphereでは、飛行許可・承認申請の代行や法令・条例の確認などを行って、何が違法なのか、どのような手続きが必要なのかをお客様に寄り添いながらサポートいたします。“信頼できるビジネスパートナー”として100回同じことを質問されても、100回笑顔で同じことをお答えさせていただきます。聞きにくいことこそお聞かせください。

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